僕は、先天性の障害を持って生まれてきました。
どのような障害かというと、絞扼輪(こうやくりん)症候群による
手足の指の奇形といった指の機能の障害になります。
両足の指と左手の指に奇形があります。
身体障害者手帳を持っており、等級は4級です。
等級は1~7級まであり、中度障害になります。
小学生の中学年から同級生との違いをはっきりと意識し始めました。
その頃から自分の手と足の指を見せるのが嫌でした。
足はそこまで見られる機会がないにしろ、
手はそうもいかずいつも左手を隠すようにしていました。
当時は本当に嫌で嫌でしょうがなくて、奇形になっているところから指を切ってもらいたいと思っていました。
僕の気持ちを親は察していたようで、中学生になって奇形部位の整形手術を受けることになりました。
これで気になることがなくなると思いとても嬉しかったのですが、
何度目かの手術の時にこれ以上は無理と言われ、
一生このままなんだと悔しくて親に気づかれないように泣いていました。
その後、障害を意識し始めてから時間はかかりましたが、
やっと障害を受け止めることができ、
高校生になった頃にはひらきなおったように隠すことをやめ、
手や足のことを聞かれても障害者とありのままを言っていました。
それで、返ってくる反応はいろいろでしたが、気にとめることはありませんでした。
社会に出てからも仕事や日常生活を前向きに送り、
自分の個性として考え自分なりに精一杯やっていました。
だけど、落ち着いていた気持ちが振り出しに戻ることがありました。
それは、その時まで何度かあった障害者を哀れんだり蔑んだりした人達とは違い、
今までで一番力のある立場の人からの障害者への侮蔑でした。
その人は僕がその当時勤務していた福祉施設の理事長で、
施設内のミーティング時に僕の目の前でその発言をしたのです。
理事長は市議会の議員もしており、そのような立場の人の発言力は
僕のこれまでを一瞬で崩壊させ、底に叩き落とすのに十分な力がありました。
それからの数年間は今までどのように生きてきたか分からなくなり、
悩み苦しみ消えてしまいたいとさえ思いました。
友人や姉の支え、そして同じ境遇の人達の力でまた立ち直り、
また数年たった今では人並みの幸せを得ることもできました。
僕にとっての障害とは、自分の身体機能の障害はもちろんのことですが、
人間関係を入れた周りの環境自体が場合によっては、
その人らしさを活かせない障害だということです。
偏見や差別はなくなってきてはいるものの、
ある人達の言動がその周りの人達の障害にならないように伝えたい。
でも、自分の考えが正しいなんて思ってもないから、
共感できる人達だけさらに周りの人へ伝えてください。
僕と同じ境遇の人達へ、自分らしさを大事にして前に進んで行ってください。
もし立ち止まった時には周りを見てください。
仲間はたくさんいますから、きっとまた進める力をもらえますよ。