不可能を可能にしてくれた通学電車

私は昨年1年間、小田急線とJR中央線を使って四谷まで訓練校に通っていました。

目の見えない私が、人で溢れ返る電車に乗って四谷まで1人で通うなど、以前は想像もできませんでした。

ましてや、新宿駅での乗り換えなんてできる訳がないと、非常に強い不安を抱いていました。

 

入学から2ヶ月間は、ガイドヘルパーにお願いして、訓練校まで随行して頂きました。

しかし、朝晩の随行はガイドの負担も大きく、ずっと心苦しく思っており、

なんとか1人で通学できるようになりたいと思っていました。

 

そんな時、歩行訓練士の先生から、鉄道やバスなどの公共機関では、

乗客の安全を確保するための人員を用意していると聞き、介助をお願いする事にしました。

 

まず、乗り降りする駅の駅長室に赴き、朝晩の乗降介助が可能かどうか、

可能であればどのような手続きが必要なのかを伺いました。

 

手順としては、まず有人の改札口で電車の乗降介助のお願いをし、行き先を告げ、

乗りたい列車と乗車位置を伝えるだけです。

私の場合は、小田急線の7時2分発で新宿までです。

 

改札口からホームへと続く通路は、段差も少なく点字ブロックが敷設されているので安全に歩行できます。

しかし、ラッシュ時の人混みを上手にかい潜り、エレベーターに乗るには、駅員の手助けが必要で、

ホームへの転落防止の配慮などは、なんとも心強いです。

 

また、降車駅への連絡も周到で、電車から降りる手助けもスムーズにいくよう手配してくれます。

こちらで乗車位置を特に指定しない場合は、車掌の目の届きやすい最後尾の女性専用車両に案内してくれます。

女性専用車両は、障害者とその介助者、12歳以下の小学生であれば、男性でも利用できる事を知りました。

 

乗り継ぎ駅の新宿では、南口のインフォメーションセンターを利用させてもらい、

JR新宿駅は乗り入れ路線が多く、保安要員の手が回らず10分程度待たされることがよくあります。

しかし、外国人観光客や乗り換え案内を求める利用客と駅職員の会話を聞いていると、

待ち時間も全然飽きないものです。

 

目的地の四谷駅では、エレベーターに乗りやすい6両目の後から2つ目のドア口で待っていてもらいました。

鉄道各社の職員だけでなく、手すりやつり革の位置を教えてくださったり、座席を譲ってくださったり、

乗客の方々からも沢山助けて頂きました。

皆様のおかげで、大きな事故もなく、訓練校に1年間通う事ができました。

 

私を取巻く全ての事に、心から感謝しています。



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