日本の社会はソフトの面でもハードの面でも、
身体障害者が暮らしやすいような取り組みがなされているかというと、
決してそのようになっていないのが実情です。
これはなぜなのかと考えるに、主には各方面のトップの
身体障害者に対する意識に問題があるのではないかと考えます。
例えば日本の建物や道路、建物の所有者がごく一般の方がトップの場合は
まず身体障害者への配慮はほとんどなく、
スロープを設けてくれたとしてもそれは急角度なスロープで身体障害者にしてみれば、
「このスロープ一体どうやって一人で上り下がりするの」
といったものを形だけ整えているといった感じでしょうか。
それに対し身体障害者に理解のある方がトップの場合は、
道路から建物への段差、建物内部の段差などがあっても、
車椅子で自力で走行が可能なように緩やかなスロープや場合によりリフトなどを造ってくれることでしょう。
それから一般道における歩道をみてみると、普通は雨水が流れ易いようにとの配慮からなのでしょうか
歩道は車道側に傾いています。
それから歩道を横切っている車道との境界ですが、まず少なからず段差があります。
こんな歩道を一回車椅子で自力走行をしてみればいかに走り難いかがよく分かると思います。
大阪府の北摂のある市のことでしたが、
身体障害者に大変ご理解のある方が市長さんをされていたある時期、
市庁舎や市関連の建物、市が管理している市道などの道路、歩道は
車椅子で走行し易いように実によく改良整備されていた時期がありました。
ある方に話を聞いたところ、この市では身体障害者の方を多数採用していろいろな部署に配属し、
施策を進めるに当たってこれらの身体障害者の職員の意見を聞いて、
取り入れるは取り入れて進めているということでした。
なるほどなと思ったものです。
これは市長さんが身体障害者の方がどうしたら不便なく生活することが出来るのか、
それは本人達に聞いた方が一番いいと思われたからだったのでしょう。
この事例からも分かる通り、一市長さんが身体障害者に理解のある方だった為に、
この市では本当に障害者に寄り添ったことが出来て行ったのです。
このことから考えるに日本のトップ、霞が関のトップ、大手企業、中小の企業トップ
こういった方々の中に一人でも多く身体障害者に理解のある方々が出現してくれば、
身体障害者へ配慮が飛躍的に変わっていくのではないかと思うのです。
そういうことになるように切に願っている次第です。