私の知っている施設に入っているある老人

私が知っている施設に入っているある老人をよくみかけます。

明るく、朗らかな女性の方です。

左手をかつて勤めていた仕事場の事故で無くしています。

親切な方で面倒見も良い方です。

小柄な彼女はいつも人に対して温厚に接するようにしているみたいで見ていて親近感がわきます。

身体に障害を持っていますが、決して暗く落ち込むことがなくいつも明るく接してくれます。

 

人生をかなり苦労された方といえるでしょう。

身体障害の手帳をもっています。

でも皆さんにできるだけ世話にならないようにしようと心がけているそうです。

 

そんな彼女は施設では人気者です。

彼女には周りに話をしに来る人でありふれているそうです。

そして年下の人にも親切であり好感をもたれています。

身体に不自由があることを自分の中で受け入れつつ積極的に人生を渡っていることに素晴らしさを感じます。

 

よく身体障害者の人は自分の境遇を受け入れるのに時間がかかったり、下を向いたりする場合があると聞きます。

身体の不自由さをどこか違うところでカバーをしているようです。

片手でいろいろできることを自分で考えて行動を起こしています。

それから周りの人にいろいろ教えたり、物をあげたりとても積極的に関わろうとしています。

 

この前この方の誕生日をむかえ施設内でお祝いがありました。

かなり年配になったと言っていました。80はとっくに過ぎています。

それなのに心がまだ若い感じでいろいろなことに興味を持ちます。

教えてもらうことも決して忘れず、すぐに覚えて興味をもって受け入れます。

そういった姿勢が彼女をいつまでも若々しく保つ秘訣なのだと思います。

現代では老人の施設に入ると行動が制限されたり自分から意欲が低下する人が増えますが、

そうならないように努力をし続けています。

 

その人はいつも言います。

「私は片手がありません。だけどもう一つの片手とみなさんの愛があるので十分です。」と話されます。

「障害者ではありますが、心の中まで障害を持ってはいません。」とまた話されます。

 

障害者と言いますが、心がすべてです。

心が貧しくいつも苦しんでいたら、本当の意味の心の障害です。

心を解放させて一生懸命楽しく生きるからこそ楽しい人生になることを身をもって教えてくれています。

だからこの人は弱音をはきません。

自分で悩んでいたら、生かしてくれている神様に申し訳ないと話されます。

この言葉は本当に私たちに勇気や希望を与えてくれます。ありがとうございました。



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