精神疾患の障害年金について

私の娘は、精神障害手帳3級を持っています。

診断名は、統合失調症です。

 

娘の場合、20代前半で発症しましたが、発症してから入院するまでに4年もかかりました。

統合失調症を発症したまま通院を拒否していた時期が長く、

症状が大幅に悪化し初めて医療保護入院(保護者の同意により入院する制度)となりました。

後ほど触れますが、この未受診の期間が障害年金申請にあたって不利な結果となってしまいました。

 

 

・障害年金を受給するまでの苦労

娘は発症してから転職していたので、転職前後で障害年金の管轄が異なりました。

しかし、頼りにしていた病院のケースワーカーさんからは、

申請書類の提出先を間違えて伝えられてしまい、

審査以前にそもそも申請書類が受理されなかったのです。

 

さらに、提出先から未受領の連絡が来るまでに3か月もかかり、

その間の分の障害年金を受け取ることができませんでした。

お役所なので仕方ないかもしれませんが、提出先の担当者も、

もっと早く連絡をして下されば、と思いました。

また、発症してから5年が経っていたにもかかわらず、遡及請求はできませんでした。

 

娘の場合、発症当初から症状は重かったのですが、

被害妄想が酷く病院への受診を拒否していたためカルテが存在しませんでした。

医師もその間の診断書を作成することができず、仕方なく事後重症化という形で請求しました。

 

精神疾患、特に統合失調症の場合、

患者本人に病識(自分が病気であると認識すること)がないことも多く、

通院や治療が遅れる傾向にあります。

結果として、どんなに症状が重くても、その間に通院していなければ、

通院していない期間の診断書を発行してもらうことはできません。

遡及請求ができれば貰えていたはずの数百万円分の年金が受け取れず、

とても悔しい思いをしました。

 

さらに、今回の請求では、提出先からカルテの写しを追加で要求されました。

娘はこれまで4つの病院にかかっていたので、

それぞれの病院からカルテを取り寄せるのが大変でした。

それぞれの病院でカルテの写しが発効されるまでに数週間前後かかりました。

 

また、公立の病院ではコピー代のみで済みましたが、

私立の病院では5000円から1万円近くの手数料がかかるところも多く、出費も気になりました。

結局、障害年金の支給が開始となったのは診断書などを最初に提出してから10か月後です。

 

 

・受給中の生活

障害年金だけでは足りず、貯金を崩しながら生活しています。

貯金がなくなり生活保護になった場合、

障害年金を差し引いた額が生活保護費として支給されることになります。

 

 

・具体的な金額

1年間で約70万円、2か月ごと約9万7千円が振り込まれます。

 

 

・障害年金を申請する方へ向けてのアドバイス

障害年金の申請では、医師の診断書がすべてになります。

そして、あまりないことなのだそうですが、

娘のように、カルテの開示を求められることもあります。

ですから、普段の診察では、病状をよく伝えることがとても大切です。

 

特に精神疾患の場合、身体的疾患と違って目に見えない症状がほとんどです。

本人だけでは難しい場合、 家族が一緒に診察を受け、

家族の口から症状について主治医に伝えると良いでしょう。



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