6年前の7月、当時勤めていた会社で変則的な夏休みが取れることになり、
手動車いすを使っている女友達と、大阪から北海道旅行に行きました。
関空から札幌に飛び、レンタカーを借りて、
旭山動物園、美瑛、摩周湖、網走、十勝、女満別と、北海道横断旅行です。
障害者割引をフルに使って、2人でプランを立てて楽しみ尽くした旅行でした。
彼女は、十分なスペースさえあれば、ベッドや車の助手席から車いすへの移乗は自分ででき、
トイレや入浴も適切な手すりや補助台があれば自分でできる状態です。
日常的にはほとんど手助けは必要なく、ちょっと長く散歩したり、
長い上り坂を走行するときに、後ろから軽く押すぐらいで、
普段は彼女が障害者であることを忘れているぐらいです。
彼女自身も、一緒にショッピングに行ったり、
車で京都や神戸に遊びに行くことを気兼ねなく楽しんでいましたが、
旅行から帰ってきてから、飛行機に乗ることは不安だったと口にしました。
彼女が不安だったのは、私に負担をかけるのではないか?とか、
航空会社の方の対応や、一緒に搭乗する乗客の方の迷惑になるのではないか?
といったことでした。
プランを練っていたときに、航空会社のホームページで、
どのような搭乗の仕方になるのか調べたところ、
あらかじめ体の状況を伝えておいた方が良いとのことだったので、
航空会社には事前に電話しました。
そこで、機内の通路が狭いので、専用の車いすに乗り換えてから搭乗することや、
車いすから飛行機の座席に移るときには、
訓練を受けた2人のCAさんがお手伝いしてくれることを教えてもらいました。
自分の車いすは、飛行機を降りるまで機内で預かってもらえることも教えてくれました。
優先搭乗があることは、広く知られていると思いますが、
車いすユーザーが実際に搭乗するところを見たことがある人はあまりいないのではないでしょうか。
当時、彼女も私も車いすでの搭乗は初めてで、かなり早めに空港に行き、
搭乗口で、機内専用車いすはまだかなまだかなーと2人でドキドキしながら待ちました。
車いすを持ってきてくれた係りの人はとても親切で、
機内移乗するときの手順の確認をしてくれました。
機内専用車いすは、一般の車いすよりも横幅がコンパクトに作られていましたが、
関空から乗った飛行機は大型のジェット機だったので、
飛行機の座席のアームレストを背もたれ側にクルッと倒しただけで、
あとはお尻を滑らせるようにして移乗ができました。
一方、帰りは女満別空港から小型の旧式の飛行機だったため、
アームレストが動かせず、膝を抱えあげる人、脇の下から腕を入れて抱え上げる人、
2人のCAさんが彼女を抱え上げての移乗となりました。
行きの飛行機がスマートな移乗だっただけに、彼女と二人で一瞬驚きましたが、
抱え上げるまでのCAさんたちのポジショニングに少し時間がかかりましたが、
抱え上げてからは一瞬でした。
飛行機に乗るのが不安だったと口にした彼女でしたが、
スマートな移乗も、人力での移乗も経験できたことで、
気は使うけれども、飛行機に乗っても大丈夫なことがわかり、
その後も2人で女子旅を楽しんでいます。
いつか、海外旅行もできたらいいなと思います。