私は幼い頃、脳性小児麻痺という病気にかかって、
足が不自由になり、身体障害者手帳を取得しました。
いつ、障害を持ったかは、明らかではありませんが、
母の話によると、1歳6か月の頃、高い熱を出して、熱が1週間ぐらい下がらなかったことがあるそうです。
1歳8ヶ月になっても、立ち上がることで歩くことが出来ず、おかしいなと思った母は、
いろいろな病院で、私を診てもらったと言っていました。
なかなか何の病気か診断がつかなかったそうですが、
街で一番大きな病院で、脳性小児麻痺との診断がついたそうです。
幼い時から、私は歩くことが不自由でしたが、特別支援学校には進学せず、
普通の小学校に進学しました。
私が、初めて、身体障害者手帳の交付を受けたのは、小学校5年生の時です。
その当時は、手帳の交付には、まず、
福祉事務所で月1回、行われている判定会で医師の判定を受ける必要がありました。
その判定会の後、広島県の手帳の審査会で、手帳の等級が決まるシステムになっていました。
私は、大人になってから、以前よりも日常生活が不自由になったので、手帳の等級を上げる申請をしました。
その時の申請から手帳の交付までの流れは、まず、
整形外科の医師に診断書を書いてもらい、それを役所に提出します。
その後、提出した診断書は、審査会にかけられ、そこで、審査を通れば、身体障害者手帳が交付されます。
申請してから、手帳が交付されるまでには、約3か月かかります。
私は、小学校5年生の時は、手帳の等級が5級でしたが、
大人になってから申請し直したことにより、等級が3級に上がりました。
障害者手帳を持つメリットは、たくさんあります。
税制上の優遇措置が受けられたり、バスや電車の運賃が半額になったり、
携帯の利用料が半額になったり、医療費が安くなったりと、
利点が大きいので、障害を持つ方は、手帳を持っていた方が絶対にお得です。
私も、手帳の等級が3級になってから、ずいぶん助かっています。
私が日常生活で一番困るのは外出です。
日用品屋食料品の買い物は自分ではできないので、
福祉制度を利用しヘルパーさんに食料品などの買い物をお願いしています。
歩行が難しいので、外出する時は、いつもタクシーを使っています。
3級になってからは、市の福祉制度で、タクシーチケットを頂けるようになったので、
だいぶ、便利になりました。
私が使っている福祉用具は、杖と歩行器です。
こちらも福祉制度のおかげで、自己負担なしで購入できました。
私は障害年金も受給しています。
障害年金は、国民年金の障害基礎年金の2級を受給しています。
障害年金は障害を持っている人の中でも、重度の人が対象になります。
手帳の等級でいうと、概ね3級以上の方が対象となります。
私が身体の障害がある方にアドバイスできることは、
手帳は持っていた方が良いということ、受給できる福祉制度はできるだけ活用した方が良いということです。
私も若い頃は、障害者手帳を持つことや障害年金を受給することに少なからず抵抗がありました。
若い時はプライドもあったし、手帳を持つことが恥ずかしいと思った時期もありました。
でも、そう言った恥ずかしさを乗り越え、どっちにしても不自由な生活を強いられるなら、
利用できる福祉制度は利用してやろうという気持ちになると、随分便利にもなりましたし、
気持ち的にも楽になりました。
障害を持っていても、前向きな気持ちで、楽しく生活を送られると良いと思います。