役場でケースワーカとして働いていた際、
身体障害を有する方への施策は膨大にありながら、
それを有効活用するのは難しいと感じていました。
その理由は、実際に決定が下りるまでの長時間であらゆる調査や見積もりが必要になってくる点です。
そして、役場の中でも知識を有する方が限られてくる点です。
もしこれをたった一人で行うといったら、元々体に不自由が出てきてその施策を活用したいのに、
不自由なんて関係ないからとにかく動けと役場から言われているような感じにさせられます。
周囲への相談もしづらい状況なのに、役場に好戦的に来られたらたまったものじゃないと思います。
手続きは事務的でも、ある程度受容してくれて、
作業自体もそこまで苦労にならない簡素化されたものになるように願っています。
身体障害者手帳を取得された方の話をします。
脳梗塞のため長期入院され、リハビリにより身体機能がある程度回復された後
自宅に戻られる際に手帳を取得する必要があると病院から勧めがありました。
実際にここまで話が進んでいた場合は、手帳の取得に問題はなく、
書類(写真、病院の診断書、印鑑)を用意して障害福祉の担当所管課へ提出すれば大丈夫な状況です。
2~3か月後に都道府県の判定が下りた手帳が交付されます。
問題は、自分の身体状況が障害程度等級表のどの部分に当てはまるかはっきりしない方々です。
窓口を担当する事務職員は、基本的にその所管課での経験が浅い若手が中心ですので、
相談しても要領を得ないことが多いです。
先輩に相談に行って戻ってきて説明しての繰り返しが繰り広げられます。
ここでほとんどの方が大人しく待ってらっしゃるのが、
障害者手帳を持つメリットは非常に大きいし、そして初回の相談は大変大事な場面だと考えます。
その時だけでも、地声がでかくて積極的に意見が言える男性が付き添って
手続きを見守るのがベターな方法だと思います。
窓口の奥の方には、事務職員の身分でもある程度の業務知識をもっている先輩や上司が控えているので、
スムーズに話を進めるためにも、窓口の職員が行き詰りそうな時はすぐに他の人に代わってもらってください。
障害福祉分野の知識はもの凄く膨大な量で範囲も広いものです。
取得にはかなりの時間が必要になります。
手帳取得は、今後の生活がかかってくる場面なので、
お互いに妥協しないで話を進めていってもらいたいです。
分からないことは分かるまで聞いてください。
あとで役場から電話して報告していただく形でもいいと思います。
事務手続きであり、なにぶん指定医の意見書を見ないとはっきりしたことは言いたくない
役場側の気持ちも尊重しつつ、本気で手続きに臨んでください。
そうすれば、適切な回答が得られる期待値が上がると思います。