息子が身体障害で生まれるまで、身体障害者の方と触れあう機会はそう多くはありませんでした。
もともと、福祉の仕事に就きたいという夢が昔からあったので、
身体障害者の方への偏見はありませんでしたが、
やはり障害者の母になり今まで自分が感じていた障害というイメージは、
当事者とはかけ離れたものだったのだと痛感しました。
息子は生まれつき、心臓病でした。
よく心臓に穴が開いている、などという表現をしますが、症状はもっと複雑で重度で、
手術を何度もしましたが完治することはありません。
当然、運動制限もありますし、少し歩いただけでも苦しくなります。
見た目にはどこが悪いのか、わかりません。
しかし、身体障害者なのです。
身体障害者の方は当然、目に見えるものばかりが障害ではないということはおわかりでしょうけど、
一般の方々にはなかなかわかりません。
特に、心臓機能障害他、重複障害を持っている息子は、
内部障害者という、目に見えない障害を持っており、周りからの理解は得にくいのが現状です。
手足が動きづらいことだけが、脳性マヒなどで人目にわかるものだけが障害なのではなく、
呼吸器疾患や、心臓疾患、腎臓機能障害など、目に見えない内部疾患も、
れっきとした身体障害であることは、障害者である当事者が少しずつでも周りアピールして、
知らせていく必要があるでしょう。
先天的な障害、後天的な障害で、また思いは違うと思います。
世の中、みんな違ってみんないい。
や、障害は個性だ。などの言葉がありますが、
当事者になれば、そのような表現はきれいごとだと感じたり、
周りはそのように思っていないと感じることばかりだと思います。
それが、現実ですよね。
周りは健康なのに、自分はどうして障害者なのか、
そのせいで仕事も思うように見つからない、将来どうなるのか、不安に感じることは多々あります。
しかし、後ろを向いてばかりはいられませんね。
人生は、一度きり。
自分は、たまたま身体障害者手帳を早々持つことになった、
年老いたら、今いる他の人たちも障害者になるかもしれません。
あまりなりたくはないけれど、自分は身体障害者の先輩だ。
そのようは究極の前向き思考で、少しだけ考えてみませんか。
自分の機能で今出来ることを使い、趣味に打ち込んだり、
あるいは就職のための勉強をしたり、人間関係を築いてみましょう。
誰よりもつらい経験は、もう既に経験しています。
これ以上、つらいことが他にありましょうか。
仮に訪れても、ハンディキャップがある人が持つ精神力なら必ず乗り越えられると思います。
身体障害を自分の強みに。
言い過ぎなようで、きっと出来るはずです。