日本でも、時代は進みつつあります。
身体障害を持つ人への関心は、高まり、後退することはありません。
また、2020年に開催される東京オリンピックに向けて、
福祉先進国であることをアピールしたいという面でも、
日本の身体障害への理解は深まりをみせています。
身体に障害を持つ方へのアドバイスとしては、
「あつかましくなろう」というスローガンを掲げていきたいところです。
身体障害を持つ人の言葉として、非常によく耳にする言葉ですが、
自分がしたいことをするために、日本の現状では、
「ありがとうございます」「すみません」
を幾度も繰り返さなければなりません。
外出するのが億劫になってしまうと聞きます。
例えばバスに乗る。電車に乗る。飲食店へ行く。
髪を切りに行く。テーマパークへ遊びに行く。
こういった、今の時代であれば、当たり前に誰もが受けることのできるサービスを利用しようというとき、
身体に障害を持つというだけで、感謝や労いの言葉を伝え続けなければなりません。
気持ちが疲れてしまって当然です。
けれども、特に若い世代を中心として、身体に障害があることを
自らの大きなマイナス要素とだけ捉える感覚は確実に減少しつつあります。
このような感覚は、現在の学校の教育が大きく変わったことも、後押ししています。
教育が現実に沿うようになったことは、素晴らいことであるし、
ようやく、こうなってきた事実は、遅かったくらいです。
この、「ハンディを感じさせる側にこそ、障害がある」という風潮は、今後、ますます加速します。
ですから、繰り返しになりますが、「あつかましくなろう」。
さて、話は身体障害からすこし離れます。
2011年に起きた東日本大震災から日本の人々は、非常に多くのことを学びました。
その中で目立ったものとして、被災者から生の体験を聴くことで、
今後の自然災害の対策を練る方法を探ろう。
という動きがあります。
つまり、これまでのように、地震学者や防災チーム、医療、福祉分野の専門家などが、
あくまでも災害の外側から机上で対策を練るのではなく、
実際に被災した人々が、災害時に何を感じたか、
本当はもっと、どういった救助が欲しかったのかを聴く機会の貴重さに、
日本の人々は気づいたのです。
身体障害についても同じことが言えます。
身体に障害を抱える本人にしかわからないこと、生み出せないサービス、求めてよい権利などが、
確実に存在することに、今、社会は気付き始めているのです。
遠慮をすることはもうないのです。
身体障害を持つ人へのアドバイスとして、皆で揃って大切にしていきたいスローガンを、
最後にもう一度述べます。
皆で、どんどん、「あつかましくなろう」。