障害者手帳を持つという事

僕が障害を持ったのは2歳半の頃、

脳性麻痺で意識不明、医者からは見離され、

なすすべなくようやくたどり着いたのが、鍼灸マッサージの治療院でした。

 

そこからようやく自力で立って歩けるようになり、

母親に連れられて幼稚園と、小学校、中学校と通いました。

両親は「車椅子を買ったらこの子は絶対に歩けなくなる」と思い、

車いすは買わず、天気が良い日は散歩に連れて行ってもらいました。

 

当然よく転びます。

膝や肘等生傷が絶えません。

しかしそれでも毎日散歩に行きました。

そういう毎日があったからこそ、今現在ひとりで歩けていると思います。

 

中学の頃だったか、親に「障害者手帳を持とう」と言われました。

この時泣いたのを覚えています。

『障害者』であるというのを認めたくなかったのか、

みんなと同じがいいと思ったのか、

なんとなく『障害者手帳』を持つ事を嫌がったような気がします。

 

でもその時に親からこんな言葉をもらいました。

「もし何かあったときにこの『障害者手帳』があればすぐに助けられたかもしれない。

病院にもいく事があるかもしれない。事故に会って大けがをしちゃうかもしれない。

そんな時にこの『障害者手帳』があればすぐに治療が受けられたり、

大きな手術をするときにも自己負担一割くらいで受けられるんだよ。

電車だって介助者と合わせてふたり分、半額で乗れるんだよ。

バスも半額で乗れる。都営の電車・バスは無料だよ。」

 

それを聞いてすぐには納得できなかったけれどなんとなく理解して、

障害者手帳を持つ事にしました。

 

実際僕はこの障害者手帳に随分お世話になる事になります。

毎日のように怪我をしていましたので、手術をするような大けがも何度かありました。

頭を打って何針か縫うような怪我をしたり、腕を骨折して大手術をしたり、

まあ本当に様々な怪我やら何やらをしてきました。

そういう時、やっぱり障害者手帳があってよかった思います。

 

独り暮らしをするために実家の近くのアパートにひと部屋借りました。

その時に障害者の補助制度で電動ベッドを買いました。

自己負担ゼロなのは本当にありがたいです。

 

それから、お風呂用の折り畳み式の椅子と、浴槽に取り付ける手すりと、

玄関に取り付ける手すりも付けました。

 

これらは約九年使っていましたが、この度古くなったものは新しくしようと、

電動ベッドについていた柵と、お風呂の椅子と、お風呂の手すりを買い替えることにしました。

もちろん自己負担はなしです。

これも障害者手帳があるから買う事が出来ました。

 

本当は電動ベッドごと買い替えてしまっても良かったのですが、

まだ使えているので、壊れている柵だけ買い替える事にしました。

 

こうして今でこそ障害者手帳のありがたみを理解できますが、

例えば生まれつき障害を持っている方が障害者手帳を持つタイミングと言うのは微妙な時期かもしれません。

でもちゃんと説明してもらえれば納得できるともいます。

 

障害者の補助制度で受けられるサービスがとても多いので、

「えっ?こんなことまでやってくれるの?」というものもあります。

障害をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方、

お住まいの自治体でどんなサービスが受けられるのか一度調べてみるといいかもしれません。



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