障害という事に思うこと

我が子は産まれて直ぐに心臓疾患と診断されました。

直ぐに手術しないと命に関わると言われ

自宅から車で2時間ほどの大学病院へ入院を余儀なくされました。

 

診察時に担当医から、手術には多額の費用が掛かる事、

今後の治療・検査・診療も長期にわたり費用が掛かる事言われ、

それに備えて身体障害者手帳の交付の手続きをすることを勧められました。

手帳が交付される事で医療費の控除がある事や給付金を受け取れるという事でした。

 

躊躇する私たちに手術して治ったら返還する事もできますよと、

言ってくれた事と正直なところ手術費を用意できない事情もあり手帳の交付を決めました。

 

躊躇したという事は私たち夫婦に身体障害という事に偏見があったのは否定できません。

しかしそれは本当はあってはならない事でありそのような考えを持つという事は恥ずかしい事なのです。

 

我が子が、病気を持って産まれて来た事で私は身体に何らかの障害を持っている子供達や

そのお母さん達とたくさん出会うことができました。

その出会いは私の中の間違った偏見を取り払うきっかけとなりました。

 

障害がある事で周りから同情されたり守られる事を望むわけではありません。

きっと多くの障害を持つ人達はただ共存する事を望むのだと思います。

確かに出来ない事は実際多いです。

しかし、それを批判するのではなく理解してほしいのです。

でも、当事者になる事でそれが難しいという事、

自分自身も理解していなかった一人であることを思い知らされました。

 

長期に渡る入退院を繰り返す間に同じ心臓病の子供さん、

違う病気で入院を繰り返す子供さん達と出会い、

お母さん達と話し私は自分がいかに傲慢で愚かであるかを知らされました。

 

それと同時にそれまでの私自身が持っていた、

家庭とか子育てとか人生においての価値観がすべてひっくり返ったような思いになりました。

そして、どうして私の子が・・・などという考えではなく、

障害を持った我が子を認め病気を理解し病気について学ぶための努力ができました。

価値観が変われば我が子に求める事も全く変わってくる事で

病気を持った我が子と歩む人生がとっても楽になったのです。

 

数度の手術を経験しましたが、我が子の心臓の病気は完治とはなりません。

元気ではありますが障害者手帳との縁は切れそうにありません。

周りからの攻撃も随分と少なくなりましたが、大人になるとそれなりに生きずらい面も多くなっています。

しかし私たちは障害に対して偏見を持たずに障害と共にこれからも親子で生きていくことになります。



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