入院生活、今と昔

患者の入院生活はここ30年で大きく変化しました。

30年前の患者は安静にすることが一番良いとされることが多く、

病室にテレビなどは置かれていませんでした。

無論、携帯電話や携帯ゲーム機もゲームボーイが出たころで殆どありませんでした。

退屈な病院生活の時間つぶしは患者同士おしゃべりをする事ぐらいでした。

 

27年前に手術のため入院した私はまだ子供でしたので、同年代の子供と遊んでいた思い出があります。

また、丁度ゲームボーイが出たころでどこも売り切れの中、

親が日本中の知り合いをあたり手に入れてくれたのもいい思い出です。

 

その頃に比べて、今の入院生活では安静にすることよりストレスを感じさせないことを重要としており、

病室のベッドに一台テレビはセットですし、スマホや携帯ゲームも存在する便利な時代になりました。

時間つぶしの選択肢が増えた分、患者同士のおしゃべりは減ったと思います。

それどころか、カーテンを閉め切っている患者ばかりになりました。

 

これは時間つぶしの選択肢が増えたのも原因だと思いますが、もう一つ思い当たる原因があります。

それは、医学の進歩で入院自体が短期間になったことです。

入院自体が短期になれば、他の患者と打ち解ける前に退院といったことになります。

心臓手術など大きな手術でも入院した翌日に手術、

2~3週間で退院といった流れでとても短期間で済む場合が殆どで、

アブレーションと呼ばれる手術に至っては1週間で退院出来ます。

 

私が27年前に入院、手術を行った際は、3か月ほど入院しました。

その頃から比べると、2年前に手術をした時に感じた事は、各段に早くなり、

術後の回復も非常にスムーズになっているということです。

術後3日目には、立ち上がることが出来るくらいに回復したことは感激しました。

 

今の手術しか知らない方には実感がないと思いますが、

私が30年前に手術した頃は、ICUで5日は寝たきりのうえ、麻酔で常に朦朧とした状態でした。

ICUから出ても10日ほどは立ち上がることもままならないような状態でした。

 

その時の記憶が強く、2年前に手術を行う時には恐怖がありましたが、

実際終わってみると苦痛もほとんどなくスムーズに回復したので医学の進歩に驚かされました。

定期的に検査入院を繰り返してきましたが、手術は25年ぶりで、

手術を怖がっている私は、今の手術しか知らない若い看護師には、

ずいぶん臆病な患者と映っていたのかも知れません。

 

患者の苦痛が減ることは、大変素晴らしいことだと思います。

これから先、もっと技術が発達して行く光景を見るのが楽しみです。



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