身体障害者補助犬(盲導犬・聴導犬・介助犬)
の中でも、最も仕事が想像しにくいのが聴導犬と言われます。
聴導犬は、聴覚障害者の方に生活で必要な、
音を知らせたり、音のする方へ導いたりしますが、
音を利用したことのない耳の不自由な方もいるので、
「音を教える犬」というのはどうもイメージしにくいようです。
また2011年現在、日本で実働する補助犬の頭数は、
盲導犬が約1000頭であるのに対して、聴導犬は30頭のみです。
3種類の補助犬のうち、聴導犬は最もユーザーへの貸与数が少なく、
一般の認知度も低いのが現状です。
身体障害者の方は165万人以上いると言われていますから、
補助犬の数が圧倒的に不足していることは明らかです。
聴導犬は聴覚障害者からの申し込みがなければ、頭数は増えません。
申しこみが少ない理由の一つに、聴導犬の利用料は高いというイメージがあります。
しかし、聴導犬は無料貸与です。
聴導犬の一番の役割は、
聴覚に障害のあるユーザーに生活で必要な音がすると、
何が起こっているかを教えることです。
聴導犬はユーザーに前足でタッチして教え、
煙報知器などの警報音以外は音のする場所まで導きます。
玄関でチャイムが鳴れば、ドアの所まで導きます。
FAXの受診音、キッチンタイマー、笛吹きケトルなどの音でも
音がしている場所へと導きます。
外出先でも、例えば病院や銀行などで順番待ちのときに、
順番がきたことをタッチして教え、受付に導きます。
音を知らせる福祉機器は色々ありますが、
ユーザーが気がつかなければ意味はありません。
しかし、聴導犬はいつもユーザーのことを気にかけ、
ユーザーが寝ていても、何かに熱中していてもユーザーを探し、
音を知らせてくれます。
聴導犬には、小型・中型犬が多いのですが、
大型犬もいますし、犬種も雑種や柴犬など様々です。